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パリの郊外暮らし

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2006年 06月 22日

「コーラス」 La Chorale by じゅんぺい

「コーラス」 La Chorale  by じゅんぺい_f0095128_072928.jpg

 今から、ちょうど1年ぐらい前のこと・・・。

 「この映画って、2004年にフランス人の8人に1人が見たんだって!」って言いながら、出たばかりの 「レ・コリスト」(日本題はコーラス)のDVDをママが買ってきた。写真がちょっと古っぽい雰囲気だったから、あんまり期待してなかったんだけど・・・、面白かった! 結構昔のフランスのどっかの田舎にアンテルナ(寄宿舎)式の学校があるんだけど、生徒はみんな男の子。デランカン(不良)っぽい子ばかりでしょっちゅう問題を起こしてる。そこへある日優しいハゲの先生が入ってきて、みんなにコーラスを教え始める、すると・・・! みたいな話。主人公で、ソプラノのジャン・バティストは、ちょっとソリテール(孤独)な感じでかっこいい。今14才なんだけど、もともとは合唱団にいる普通の中学生。でも、その映画のおかげでもうすごい人気! なんであんな女みたいな高い声が出るのかが不思議なんだけど、歌はホントに素晴らしいよ。

 でもなんで、この映画そんなに流行ったんだろう? まぁ、もともと「フランス人はコーラスが好き」なんだけど・・・。

 ぼくの行ってた小学校では、毎年6月に「コーラス発表会」があった。色んな学年の混ざったグループごとに歌ったり、笛を吹いたりするんだ。バックバンドは、先生やお父さんたち。どんな曲をやるかは皆で話し合ったり、アイデアを募集したりするんだけど、CM1(4年生)の時にママとぼくとで日本の歌を提案してみることにした。
 日本らしい曲がいいだろうっていうことで「赤とんぼ」を選んだ。まず、うちにあったカセットと楽譜を学校へ持っていって先生の意見を聞くことに・・・。あんまり難しすぎると困るからね。で、その結果、「やってみよう」っていうことになったから、今度はフランス語の発音のルールに従って、歌詞を一文字ずつアルファベットに書き換えた。例えば、「ゆうやーけこやけーの」は « yu, ou, ya, a, ké, ko, ya, ké, é, no » っていう感じで、全部を細切れにするんだ。それからは、練習のたびに、「ジュンペイ、ここんとこちょっと歌ってみて」みたいな感じで、ぼくが先生役になって、なるべく日本語らしくなるように細かいところを教えた。女の子たちは「日本語で歌が歌える」っていうのが自慢で、結構家でも歌ってたらしい。

 発表会の当日は、みんなで、胸に「サン・ジェルマン・アン・レ」って書いてあるおそろいの白いTシャツを着た。テアートル・アレクサンドル・デュマっていうサンジェルマンで一番大きい劇場が満員になった。
 いよいよぼくたちの番だ。曲の紹介をするために、ぼくとクレモンが前へ出た。まずぼくが、「赤とんぼっていうのは、日本に古くからあって、みんなに愛されている曲です。」って日本語で言う。みんな訳わかんないから当然まるで反応なし! そこへクレモンがフランス語で通訳みたいにして説明する。ようやく、みんな意味がわかって拍手。照明が落とされて、さぁ、いよいよ歌の始まりだ。
「コーラス」 La Chorale  by じゅんぺい_f0095128_23534951.jpg
 
                    ……(♪)……

 歌い終わった後はたーっくさんの拍手をもらった。「ブラボー!」っていう声もあちこちから聞こえた。ママも、「フランス人が歌ってるとは思えないほどすごく自然で、きれいで、鳥肌が立った」んだって! それって大成功だった、ってことだよね!
 毎年、発表会の最後を飾るのは必ず「リオの火事」っていう、ブラジルのリオ・デジャネイロでの火事の歌なんだけど、テンポが速くて、振りもついてて、ノリのいい曲だから最高に盛り上がるんだ。毎年、この曲をえんえんとリピートしながら、生徒全員が皆で声を張り上げて歌って、コーラス大会は終わりになる。

 ね! っていう感じで、「フランス人はコーラスが大好き」なんだ。

「コーラス」 La Chorale  by じゅんぺい_f0095128_044150.jpg

          小学生のころ、コーラス大会の前にクラスの友達と

by maVieestBelle | 2006-06-22 00:11 | じゅんぺい中学生日記


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