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パリの郊外暮らし

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2008年 11月 05日

ゴッホのオーヴェール散策 I @ Auvers-sur-Oise (95)

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 ブロカントを開催していた村からオーヴェールまでは車でほんの15分ぐらいだったろうか・・・真っ平らな土地をぐんぐん走って、ロータリーのたびに標識を頼りに目的地に近付いて行く・・・フランスの田舎のドライブは楽しい・・・。

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 お天気のいい日曜日の午後だったせいか、同じ目的の人々があちこちに・・・!

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 まず最初はここから・・・知ってる人にはすぐわかるけど、そうでなければ「??」のフツーの教会・・・それが証拠にこの村に着くまでの間にも、よく似た教会を見かけて「あれっ、もう着いた?」と勘違いをしたほど・・・でも、ピンと来なかった人もこの画を見ればわかるかも・・・。

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 そう・・・ゴッホが1890年(没年)に描いた「オーヴェールの教会」のモデルになった教会なのである・・・でも、これが描かれた三十数年後の1924年に、この同じ場所に立った一人の日本人画家がいたことを私は知らなかった・・・。

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 それは佐伯祐三(1898-1928)だった・・・タイトルも同じ「オーヴェールの教会」・・・佐伯祐三が最初にフランスに渡ったのは1924年からの2年間だったが、その年に彼はヴラマンクを訪ねてオーヴェールまで行ったそうで・・・ヴラマンクに「このアカデミズムめ!」と評された佐伯は、翌日ドクター・ガシェが所有していたゴッホの「オーヴェールの教会」を見せてもらい、その興奮覚めやらぬうちに同じ場所に立ってこの作品を描いたそうだ。ちなみにこの作品は鳥取県立博物館に展示されているらしい。それにしても、大正の末期に日本からはるばるオーヴェールを訪ねた若き画家がいたんだと思うと、当時の彼の熱き思いが伝わって来るような気がして・・・思わず目を細めて画に見入ってしまう・・・。

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 教会のまわりには、楽しそうにデッサンしている青年たち・・・

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 ちょっと近付いてみた・・・な~んか、いい時間が流れてるって感じ・・・!

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 教会から5分ほど畑のほうに歩いて行くと・・・ちょうど子どもたちを引率しているガイドのマダムが、ゴッホの生涯を語っているところだった・・・みんな楽しそうに彼女の出すクイズに答えている・・・そのテンポの良さに、私も思わず引き込まれて聞いてしまった。

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 ゴッホはこの場所にイーゼルを立てたのかな・・・Le champ de blé aux corbeaux ってことは「カラスの群がる麦畑」・・・だけど、もうちょっとスマートな日本語題に訳されているのかも知れない・・・(「カラスのいる麦畑」っていうのが多いようだ)

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 麦の穂はもうすっかり刈り込まれてしまっていて、黄金色にうねるその姿を見ることはできなかったけど・・・100年前とほぼ変わらない麦畑のど真ん中に立てるなんて、それだけで充分すごい気がする・・・。


 A suivre .... つづく・・・

by maVieestBelle | 2008-11-05 17:16 | パリの郊外 


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